8/4 登山行軍
朝。少し早めに目が覚めたので、昨日と同じように湖の辺を散歩する。静かな朝がよい。鳥の鳴き声と川のせせらぎ、たまに通る車のエンジン音とタイヤがアスファルトに擦れる音だけが聴こえる。
と、遠くからワンワンワン、と犬の鳴き声が聞こえてきた。遥か向こうに、例の遊んで犬の姿が見える。彼はエスカレートすると噛みつくようだから、ああ、お前は来なくてもよいのだよ、と心で念じたところ、そんなことは意に介さずに、わーい!と駆け寄ってきた。猛ダッシュであっという間に足元まで来ると、やはり「がるる!」と噛みついてくる。わーダメだよーと後退りすると、「遊んでよ遊んでー!がるる」と、どんどんにじり寄って来る。困ったなー、と彼の身体を抑えて「こら!ダメでしょ!」などと叱っていると(朝っぱらから何をやっているのか)、えー遊んでくれないのー…とションボリ。近くの建物の玄関で座って寝始めた。なにか可哀想なことをしたなと多少の罪悪感を感じつつ、湖散策を続ける。
ふと気がつくと、彼はいつの間にか再び背後に迫っていた。一応、さっき怒られたからか、噛みついてこない。ねー遊んでよー。キューンキューンと無くこの黒い彼はかわいい。歩くと一緒について来るので、しばらく2人で歩く。キャンプ入り口から朝のジョギングに出る集団が見えてくると、新たな遊び相手を見つけた黒い彼はそわそわし始める。ジョギング集団が走り出すと、すわ、もう我慢できないぞと黒い彼は集団に向かって全力疾走。ジョギング集団と一緒に道の向こうに消えていった。そろそろ起床時間なので、若干の寂しさを感じつつ部屋に戻る。
◇
いつものようにカフェで朝食を摂ったあと、今日はやはり山にハイキングに行く予定だ。が、出発時間がやや不明。マラットさんのドシュを借りて弾いたりして過ごす。いく度かの時間変更があり、これは今日行けるのかなーという感じになっていた。ので、今のうちにとホーメイジたちの部屋にお邪魔する。入り口に居たセルゲイさんに、ちょっと自信のなかった昨日書き写した歌詞を見てもらうと、何故か合唱になった。歌詞は合っているらしい。ただ、「четчен-ле бээр」のところが難しく、発音を何度か注意される。
※追記:
「четчен-ле бээр」
↓
「четчи-ле бээр」の間違いでした
テーブルにある別の歌詞を目ざとく見つけて、これも歌?と聞くとそうだ、とのこと。厚かましくこれも教えてーとノートに書き写す。やはりネイティブの筆記体に苦労する。ウッペイさんがひとつひとつ丁寧に教えてくれた。ひとつのコジャムクと民謡の計2曲。
◇
わーい、ありがとうーчеттирдим!と部屋を後にすると、山へ向かう準備は既に整っていたようだ。わーすみません、と慌てて荷物を持って出発。
我々を護送もとい届けてくれるのは、この車。
ごつ過ぎ。軍隊か。後ろに乗り込んで走り出すと案の定揺れるゆれる。椅子からずり落ちそうになり、揺れる程皆のテンションは上がっていく。ゲラゲラと笑っているうちに目的地に到着。
ガイドのアンドレイは、凄まじくごつい装備。ぼくスニーカーなんですけど、、、大丈夫かな。開始早々ぬかるんで足を取られる洗礼を浴びて、やや不安になる。ホーメイジたちも同行だが、「山に行くんだってー。じゃあ俺らも混ぜてもらおうぜ」的に飛び入り参加だということは、後で知った。山の男たちはやはり歩みも早い。先頭を行く重装備のアンドレイと手ぶらのホーメイジの差がおかしい。
◇
行きはよいよい。綺麗な景色に胸を躍らせつつ歩く。
後半、段々ときつくなってきた。靴もどろどろ。しかし、難儀な道のりの向こうに待っていたのは、素晴らしい光景だった。
◇
しばらくののちに下山。これから来た道を戻るのかと思うと少々気が重い。どろどろの足元は次第に重くなり、大量の蚊に囲まれ、手にはよく分からない虫の噛み跡も付けられつつ下山。ちなみに山にはヤマダニというダニが居て、ロシアのそれは悪いウイルスを持っており、刺されたら3日以内に血清をうたなければ死んでしまうそうだ。極度の心配症なので、アンドレイにこれって何の跡?と聞いてみると、おもむろにナイフを取り出した。えっ、と思ったら、アンドレイ松の木の皮を剥いで松脂を付けろと言う。んー山の男かっこよし。
◇
下山した頃には夜となり、カフェが閉まる前に夕食を摂らなければならない。カフェでは学生たちの連日の催し物があり、今日も変わらず賑やかだった。隠し芸大会的に歌や踊りを披露している。先生のバヤンを伴奏に小さい女の子の歌う歌がとても可愛らしかった。
ふと見ると、あれ?セルゲイさんがマイクを持っている。慌ててデジカメを持って最前列に行くと、セルゲイさん紹介の下、ウッペイさんが登場。飲んでいるのか妙にハイテンションだ。ホーメイを披露、ロシア民謡か?モダンなメロディーも奏でてコサックダンスで踊りまくる。…ウッペイさんってこんなひとだったっけ、、普段のもの静かな姿と違った一面を垣間見る。大分笑った。
◇
すっかり疲れ切って部屋に戻った。シャワーを浴びて、泥だらけの靴もこのままにしておけないのでとりあえず洗う。同室のメンバー氏にアミノ的なものをもらう。マッサージまでして貰って、これがまたうまい。聞くと、以前のトゥバ旅行でトゥバ人相手にもマッサージして好評だったらしい。お礼に肩を揉んでから就寝。
と、遠くからワンワンワン、と犬の鳴き声が聞こえてきた。遥か向こうに、例の遊んで犬の姿が見える。彼はエスカレートすると噛みつくようだから、ああ、お前は来なくてもよいのだよ、と心で念じたところ、そんなことは意に介さずに、わーい!と駆け寄ってきた。猛ダッシュであっという間に足元まで来ると、やはり「がるる!」と噛みついてくる。わーダメだよーと後退りすると、「遊んでよ遊んでー!がるる」と、どんどんにじり寄って来る。困ったなー、と彼の身体を抑えて「こら!ダメでしょ!」などと叱っていると(朝っぱらから何をやっているのか)、えー遊んでくれないのー…とションボリ。近くの建物の玄関で座って寝始めた。なにか可哀想なことをしたなと多少の罪悪感を感じつつ、湖散策を続ける。
ふと気がつくと、彼はいつの間にか再び背後に迫っていた。一応、さっき怒られたからか、噛みついてこない。ねー遊んでよー。キューンキューンと無くこの黒い彼はかわいい。歩くと一緒について来るので、しばらく2人で歩く。キャンプ入り口から朝のジョギングに出る集団が見えてくると、新たな遊び相手を見つけた黒い彼はそわそわし始める。ジョギング集団が走り出すと、すわ、もう我慢できないぞと黒い彼は集団に向かって全力疾走。ジョギング集団と一緒に道の向こうに消えていった。そろそろ起床時間なので、若干の寂しさを感じつつ部屋に戻る。
◇
いつものようにカフェで朝食を摂ったあと、今日はやはり山にハイキングに行く予定だ。が、出発時間がやや不明。マラットさんのドシュを借りて弾いたりして過ごす。いく度かの時間変更があり、これは今日行けるのかなーという感じになっていた。ので、今のうちにとホーメイジたちの部屋にお邪魔する。入り口に居たセルゲイさんに、ちょっと自信のなかった昨日書き写した歌詞を見てもらうと、何故か合唱になった。歌詞は合っているらしい。ただ、「
※追記:
「четчен-ле бээр」
↓
「четчи-ле бээр」の間違いでした
テーブルにある別の歌詞を目ざとく見つけて、これも歌?と聞くとそうだ、とのこと。厚かましくこれも教えてーとノートに書き写す。やはりネイティブの筆記体に苦労する。ウッペイさんがひとつひとつ丁寧に教えてくれた。ひとつのコジャムクと民謡の計2曲。
◇
わーい、ありがとうーчеттирдим!と部屋を後にすると、山へ向かう準備は既に整っていたようだ。わーすみません、と慌てて荷物を持って出発。
我々を護送もとい届けてくれるのは、この車。
ごつ過ぎ。軍隊か。後ろに乗り込んで走り出すと案の定揺れるゆれる。椅子からずり落ちそうになり、揺れる程皆のテンションは上がっていく。ゲラゲラと笑っているうちに目的地に到着。
ガイドのアンドレイは、凄まじくごつい装備。ぼくスニーカーなんですけど、、、大丈夫かな。開始早々ぬかるんで足を取られる洗礼を浴びて、やや不安になる。ホーメイジたちも同行だが、「山に行くんだってー。じゃあ俺らも混ぜてもらおうぜ」的に飛び入り参加だということは、後で知った。山の男たちはやはり歩みも早い。先頭を行く重装備のアンドレイと手ぶらのホーメイジの差がおかしい。
◇
行きはよいよい。綺麗な景色に胸を躍らせつつ歩く。
後半、段々ときつくなってきた。靴もどろどろ。しかし、難儀な道のりの向こうに待っていたのは、素晴らしい光景だった。
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しばらくののちに下山。これから来た道を戻るのかと思うと少々気が重い。どろどろの足元は次第に重くなり、大量の蚊に囲まれ、手にはよく分からない虫の噛み跡も付けられつつ下山。ちなみに山にはヤマダニというダニが居て、ロシアのそれは悪いウイルスを持っており、刺されたら3日以内に血清をうたなければ死んでしまうそうだ。極度の心配症なので、アンドレイにこれって何の跡?と聞いてみると、おもむろにナイフを取り出した。えっ、と思ったら、アンドレイ松の木の皮を剥いで松脂を付けろと言う。んー山の男かっこよし。
◇
下山した頃には夜となり、カフェが閉まる前に夕食を摂らなければならない。カフェでは学生たちの連日の催し物があり、今日も変わらず賑やかだった。隠し芸大会的に歌や踊りを披露している。先生のバヤンを伴奏に小さい女の子の歌う歌がとても可愛らしかった。
ふと見ると、あれ?セルゲイさんがマイクを持っている。慌ててデジカメを持って最前列に行くと、セルゲイさん紹介の下、ウッペイさんが登場。飲んでいるのか妙にハイテンションだ。ホーメイを披露、ロシア民謡か?モダンなメロディーも奏でてコサックダンスで踊りまくる。…ウッペイさんってこんなひとだったっけ、、普段のもの静かな姿と違った一面を垣間見る。大分笑った。
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すっかり疲れ切って部屋に戻った。シャワーを浴びて、泥だらけの靴もこのままにしておけないのでとりあえず洗う。同室のメンバー氏にアミノ的なものをもらう。マッサージまでして貰って、これがまたうまい。聞くと、以前のトゥバ旅行でトゥバ人相手にもマッサージして好評だったらしい。お礼に肩を揉んでから就寝。
by yoshi_nora
| 2010-08-23 07:44
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近況
★3月下旬のタルバガンによるワークショップは中止にしました。日を改めて開催しますので、ご興味ございましたらお問い合わせください。
★のびやかなおんがくを奏でます。fokcea crispaはこちらから
♪♪♪♪♪
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