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8/7 エルジェイへ

朝。今日はクズルを発って、東のエルジェイという場所に移動する。道のりが長いから朝の7時に出発だぜ!と息巻いていたオトクンさんは、時間通りには現れなかった(想定内)。のんびり構えて待ちましょうかーとしているうちに、ツアー参加者のうちの数名がお腹の調子を崩してしまったことが判明。ふとよぎるのは、ブータン、キルギスと二連敗中の自分の身だが、今回は幸い無事だった。キルギスでお腹を壊した時にもらった、「(消毒の意味で)必ずウォッカを飲むようにしろ」という忠告を守ったのが幸いした。か?

少し休んで様子を見ているうちに、オトクンさんも到着した。2名は大事をとってホテルに残り、他の皆はある程度回復して昼頃に出発。今日の移動手段は2台の屈強なロシアン・ジープで臨む。元々の悪路に加え、前日には雨が降って道の状態は相当悪いらしい。

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…かわいい。やって来たのはこの車だった。ヒアリングミスか「ロシアンジープ」と聞いた気がしてHAMMER的なゴツいのを想像していたが、ころん、としたこの車に分乗して移動する。



出発前に、ムングンオール作のドシュプルールを連れて帰るべく話をつけてもらったところ、5分後にはムングンオールがホテルに現れた。スーパースターは仕事が早い。本人も自分の楽器の行方を知りたがっていたようで、決断が遅れてごめんなさい。ムングンオールに、ドシュプルールのヘッドとボディを黒く塗っているのは何故かと尋ねると、『エジル・カラ(эзир кара:黒いワシ)』という名前の駿馬をモチーフにしているとのことだ(同名の歌も存在する)。作者の意図を聞くと、また愛着もひとしお。



さて、その黒いワシを携えつつ向かうエルジェイへの道中は、想像以上の悪路続き。右へ左へ前へ後ろへ、がったんごっとん激しく揺さぶられる。何もしていないとすぐに酔ってしまいそうなので、ウッペイさんと昨日の曲を一緒に歌い、セベックさんにカルグラを教えてもらいつつ進む。途中のトイレ休憩は、当然ながら大自然のなか。休みの間の少しの時間で、セベックさんはどこからか木の実を摘んできてくれた。

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その後、川にぶつかった。ここでは、車を船に乗せて対岸へと渡る。この船自体は動力を持たず、川の流れを利用して対岸へ渡るそうだ。船は、下流に流されないよう両岸に渡されたワイヤーに固定されており、その状態で川の流れを受けるように舵を取ることで、推力を得る…らしい。

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川を渡ったあとの悪路は、更に激しさを増していた。横転するのではないかというくらい傾いたり、身が浮くほど揺らされ、幾たびか立ち往生しつつ進んでいく。暫くして川の辺で下車、ここから船で対岸へと渡っていくようだ。到着した船着場には、美しい風景が広がっていた。静かに降る雨の音、遠くでひとり草を食む馬に括られた鈴の音。ほどなくして雨は止み、迎えの船が到着した。

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古いボートとモーターボートが1台ずつ。これらに分乗して対岸へと渡る。ぼくは前者へ乗り込む。水面が近く、陽の光が川面を照らして眩しい。途中、モーターボート組がすごい勢いで追い越していった。一方の我々ボート組はその後ものんびり川を進んでいく。途中、ボートの案内人(のちに「ミハイル」という名前だと知った)が山を指差して何かを教えてくれているが、ロシア語なので分からない。山頂になにかあるようだ。

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対岸へ到着。ここエルジェイは、ロシア正教の古き良き暮らしを残した場所だ。今日泊まるこのキャンプには、数軒の小屋以外は何ひとつない。自分の小屋に荷物を置いて一休み。いつの間にかまた降り出した小雨を避けつつ屋根のある玄関に椅子を置き、昼食までの時間を過ごす。ドシュプルール弦を左用に張り替え。耳を澄ますと鳥の声と静かな雨音以外は、遠くの小屋の周りの話し声が時折聞こえてくるだけだった。

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犬たちは、来訪者たちよりも睡眠が大事だ。

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そうこうしているうちに、早速の昼食。キッチンへと集まる。事前の心得として、ロシア正教では自分のもの以外の食器に触れてはいけないそうだ。キャンプのキッチンは流石に大丈夫そうだが、きちんと心に留めておく。昼食は、蜂蜜と共に焼いたトースト、塩味キュウリのサラダ、そばの実、スープなど。どれもとても美味しい。食後は「イワン・チャイ(иван чай)」をいただく。なんだなんだ、なにが入っているんだと皆の心を動かす、ほっとする味だ。

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材料となる草花を教えてもらったが、そういうことに疎いぼくはどのようなものか想像がつかない。帰国後に『иван чай』で検索してみると、たしかに道中見た花のことのようだ。(たしかに、写真も撮っていた)



ホーメイジが滞在する小屋から、なにか鳴き声のような音が聞こえてくる。セベックさんが白樺の皮を剥いで『エディスキ(эдиски)』という笛を作っていた。剃刀で厚切りパンのような形に切って、それをふたつに折り、口にくわえて唇か歯で軽く押さえつつ吹くと、ぷぃー!っと高い音がなる。木管楽器のリードのようなものだ。鳥や動物の鳴き声っぽく吹くことができ、狩りで獲物を誘い出す時などにも使用するらしい。セベックさんに作ってもらって、皆で吹く。最初はうまく音が出なかったが、コツを教えてもらいつつ試していると音が出るようになった。子供の遊びのような(実際そうなのかもしれない)意味もなく楽しい気持ちになり、暫くの間、無心になって吹き続ける。



その後、綺麗な景観を見渡しつつのんびり過ごす。一応ラフティングなどもあるそうだが、あまり興味は沸かなかった。巻上さんが馬に乗って現れる。いいないいなーと皆で順番待ち、大人しい白い馬に跨って周辺を散歩した。先ほどの船の案内人ミハイルが先導して、途中で赤い実を摘んでくれたりした。



夕食前にワークショップをやろう、とひとつの小屋に集合。ドシュプルールで『アー・シュー・デッケイ・オー(аа-шуу-декей-оо)』という歌の弾き方を教えてもらって、ウッペイさんと一緒に弾く。セベックさんにカルグラを教えてもらったが、ぼくは喉元寄りで雑音が鳴り過ぎているとのこと。「出し方は悪くはないが、(余計な雑音が)俺は嫌いだ」。間近でセベックさんのカルグラを聴くと、その音は丸く深い。「な、こっちの方がいいだろ」。セベックさんはにっこりと笑ってそう言った。

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ひとしきり声を出してお腹が減ったところで夕食。昼食と同じく、食卓の上は美味しいもの揃いで、もりもり食べ、その後に外に出て星を眺める。エルガキで教えてもらった北極星を探したが、基点となる北斗七星もカシオペア座も分からないくらいの星、そして天の川が見えた。(きちんと把握していれば、この中からでも簡単に探すことができるらしい。うーむ)



名前を呼ばれてなんだろう、と思ったら、ドシュプルールを持って来いというウッペイさんの伝言。おやおやなにかと思いつつ、小屋から楽器を持ってくると、キッチンでエルジェイの人たちと歌い合う催しが開かれていた。ウッペイさんセベックさんに混じって少し演奏。ホーメイジとエルジェイ、日本チームの三すくみで歌い合う。

しかし、自分に振られた時に歌える日本の歌がひとつもないことがショックだった(ごめんね、オトクンさん)。無力感。ああ、この感じは前にあったなと記憶の中を思い返してみたら、それはキルギスに行った時だ。カラコルで泊まった夜に向こうの家族に日本の歌を披露することができなかったことがあった。いやいや、その時にネタを持っておくべきだったと反省。(そして、今後の宿題)



暫く歌い合ったのちに解散、部屋に戻る。ぼくのお腹も少し、ごろごろとしてきたようだ。ぼくにもビッグウェーブが到来するのかしら。エルジェイの夜はけっこう寒く、小屋の薪ストーブを使うべきのようだ。ウッペイさん、セベックさんが代わる代わる薪ストーブの具合を見にきてくれた。優しい。暖かい部屋の空気の中、就寝。



…むはー、暑い!と夜中に飛び起きた。恐るべし薪ストーブの威力。薪をくべてくれたセベックさんが、小屋の壁を叩いて「ストーブで暖まって、バーニャのように暑くなるよ!」と笑っていたが、あれは冗談だったのか本気だったのか、その言葉は現実となった。汗だくになり、布団を脱ぎ捨てて寝た。
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by yoshi_nora | 2010-08-31 02:21 | 2010トゥバ

8/6 クズル滞在

何故か旅行中はいつも目覚めがよい。朝食のため4階のカフェへ向かう。手書きの筆記体で書かれたメニューはイマイチ読めない。3つの中から唯一分かった『каша』(お粥のようなもの)を注文してみたところ、なんとも甘い味付けのお粥が出てきた。さっさと口の中に流し込む一方、付け合わせのリンゴとヨーグルトは嬉しい。後から来た他メンバーのかたは、パスタ&ソーセージをチョイスしていた。「ちっと食べてみー」とのことで、お裾分けしてもらったところ、パスタは味がなく、ソーセージはフォークが刺さらない程の堅牢な作り。なんとか齧ってみると、スパムに近い味がした。



食事後、ホーメイジの部屋を訪問。セルゲイさんが笑顔で出迎えてくれた。ムングンオールのドシュプルールを見せてください、とお願いする。ボックス型の黒いドシュプルールで、素朴な造りながら音がとても良い。そしてムングンオールの彫る馬は、とても繊細だ。セルゲイさんが、「どれどれ、弾いてあげよう」と一曲。かっこいいー、などと騒いでいると、そのフレーズを丁寧に教えてくれた。むう、これを連れて帰りたい、と非常に心が傾く。買うなら水筒型と決めていたはずが、本当に巡り会わせというか、どう転ぶか分からないものだ。

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ちなみにセルゲイさんは、いつでも超カメラ目線で弾いてくれる。



午前のうちに出発。新しく建てられたという博物館を観光、トゥバの文化歴史を学ぶ。帰り際にお土産物屋さんで、フェルト製のかわいい山羊さんが気になって連れて帰ることにした。表に出ると、入り口横にウグが建てられていて、そこで係のひととチョドラーさんに遊牧民の生活の話を色々と伺う。

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博物館を見終わった頃にはちょうど昼下がり。『ボストルク』というファミレスちっくなところでランチ。トレイを持っておかずを選択する形式だが、お昼時だからか激しく混雑している。ここでトゥバ滞在中の友人とも会うことができた。家族で偶然食べに来ていたというムングンオールがちょうど後ろに居て、「おい、これうまいぞ」「これ食べたことあるか?」などと気さくに話し掛けてくれた。

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食事が終わったら、1階のスーパーマーケットでチョドラーさんのお買い物を手伝い。スーパーマーケットは生活に近しいものが売っていて見るのは楽しい。人数分のミネラルウォーターを買い込む。お駄賃に(?)ガムをもらった。



その後、街からちょっと行ったところにあるアルジャンへ。ここは湧き水が複数流れ込んでいるところで、曰く、各々効能が違う…らしいが、効能の看板は撤去されていた。怪しいが、折角なんで飲んどけのんどけと思ってごくごく。

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(※その後、トゥバに詳しいかたに伺ったところによると、トゥバ人はともかく旅行者には若干ハードな水質であったらしい)



車を停めた辺りは街から川を挟んだだけのはずだが、そこには荒涼とした景色が広がっている。すぐ近くにチベット仏教の仏塔などが見える。ここは旅の安全祈願をしておこうと、お賽銭して時計回りに3回、仏塔の周りを回って歩いた。

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さて戻ろうとしたところ、派手な音を鳴らす車が数台。結婚式の車だそうで、ロシア系の若者の集団がわいわいと出てきた。新郎新婦を写真に撮っておくべえ、とカメラを構えたところ、「おお、お前も来いよ」とばかりに集団に混じって記念写真を数枚。



その後、観光組は郵便局→お買い物へと向かったが、一方ぼくはホテルへと戻った。イベント目白押し所以にクズル滞在中の自由時間は、残すところこの数時間のみ。街もちょっと見てみたかったものの、あまり多くを見て回ることはできないだろうと思い、その時間でホーメイジに習うことを優先した。

1対1で教えてもらうべく、若干気負いつつウッペイ・アンドレイさんの部屋行くと、「おーよく来たねー」と、笑顔で迎え入れてもらって緊張がほぐれる。「よし、じゃあ始めよう!」とのことだが、その横のベッドではセベックさんがガン寝しておりますが。だ、大丈夫かしら、、と思ったが、いくら声をだしても、セベックさんは全く動じずにスヤスヤと眠っておられた。

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「ふむ、じゃあ曲やろっか」となり、イギル弾き語りの曲を教えてもらう。まずはウッペイさんが目の前で演奏してくれて、おおー。これは初日のデモ演奏で披露してもらった曲で、今日ちょうど質問しようと思っていた曲だ。まずは歌詞を聞いてノートの書き写していく。ところどころ意味をジェスチャーで教えてもらったり、咽頭母音(中国語の四声で言うところの第三声に近い)の発音の話など。幾度か、歌っている途中で、「あー!あっはっは!」と大声で笑いつつ「歌詞を間違えたー」というような様子が、子供っぽい無邪気さを感じさせる。愛すべきウッペイ氏。

しかし、ホテルの一室でベテランホーメイジの歌を間近で聴いて教えてもらえるという時間は、とても貴重かつ感動する出来事だった。一旦歌詞は書き写したものの、ウッペイさんの口に乗せると、それがすごい密度となって流れてくる。歌い回しや味、技術的なところでは語れない深みは、年輪を重ねてこそのものなのかもしれない。これを見て、喉はこうだ舌はこうだ、といった技術ではない大事なものを垣間見た気持ちとなった。

最後はおまけに、「アキラはここをヤポンに変えて歌いなさい」「ここはアキラと歌いなさい」と歌詞を自分仕様に変えて授かった。わーこれは光栄。光栄過ぎる。というところで終了。



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その後、オパールさんの生誕80年パーティへ。豪華絢爛な世界。食べきれないほどの食事と歌と踊りが満載。司会、音響、演奏、ボーカル、コーラスを勤める男性が激しく気になる。かなりの長丁場で、途中外で滞在中の友人と夕涼み&立ち話などしていると、オパールさんが外へ。いかん、もう帰ってまう!と慌ててプレゼントを取りに戻ってなんとか手渡すことができた。…と思ったら、まだ特に帰るというわけではなかったらしく、早とちりしてしまった。

終了後、バスでホテルに移動。就寝前にチョドラーさんも含めた数名で部屋に集まり、折り紙やワイン。激しく疲れていて、やや頭がぼーっとする。自室に戻ると、直ぐぐっすりと眠りについた。
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by yoshi_nora | 2010-08-28 07:06 | 2010トゥバ

8/5 トゥバ入国

朝起きると迎えのバスは到着していた。カフェでエルガキ最後の朝食を摂ってこの地を発つ。昨日の山登りでお世話になったアンドレイにお礼。皆で記念写真を撮ってお別れ。トゥバに向けての車中では、酔いの特等席(最後部真ん中)に座する。激しい縦揺れをお見舞いされつつ、ホーメイやらの練習をしていたら酔うことなく無事に終った。

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針葉樹林の山々を抜けていったところで、トゥバとの国境へと辿り着いた。木々には、チベット仏教信仰を象徴するルンタが結び付けられている。ブラジャーもぶら下がっていたが、これは見なかったことにしよう。

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我々を乗せて、車は更に首都クズルへと向けて進んでいく。国境を境に景観が変わったようだ。大地が大きな力で押されて隆起したかのような山々が幾重にも折り重なっている。遠くの山は雲でうっすらと影になり、絵のような光景も見られる。更に暫く進むと、これまでより一際大きい街が見えてきた。遂に到着、あれがクズルだ。想像していたよりももっと規模は小さい。車はそのまま宿泊するホテルへと進んで行った。

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ホテルのロビーには、クズルやモスクワの他、東京時間の時計なども掲げられている(但し、1時間ズレていた)。入り口左手にあるお土産屋さんで、トゥバ歌謡&歌詞楽譜のセットを購入。どこか聴ける場所はあるかと尋ねると、4階のカフェで聴けるとのこと。早速向かい、CDを入れて聴いてみる。…。なんとも脱力なポップス?がしかし、耳に残る。



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昼食を済ませたあと、tyva kyzyのチョドラーさんによるワークショップ。各人の特徴を把握してのアドバイスと、kara duryaa(黒い鶴)という民謡を教えてもらった。



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ワークショップのあとはコンサートの予定。残念ながら、当初予定していたシュールー・オパールさんの生誕80年記念コンサートは、ご本人の体調とシャーマンの助言により中止となってしまった。その代わりに、このコンサートが企画されたのだった。団体による歌と寸劇、オパールさん、ナージャさん、若い二人組、セベックさん、セルゲイさんと続く。最後には、オンダール・ムングンオールが登場した。ズームのないカメラが恨めしい。録画してる場合じゃないやと諦めて、かぶりついて観る。日本人の我々も紹介されて、さくらさくらとソーラン節を歌った。皆で記念写真を撮って大団円。

ちなみに、CDなどで聴ける口琴の自慢大会と思しき寸劇を実際に見ることができた。実際に目の当たりにすることができて興奮し、口琴が登場するたびに一緒になって「おおーー」と言ってみたりしていた。



終演後、思い切ってムングンオールに「貴方のファンなんです」と話し掛けて、握手、一緒に写真を撮る。会ったトゥバのホーメイジたちが皆そうであるように、彼もまた手がとても大きかった。



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終演後は、オパールさんナージャさんに招かれてご馳走になる。ひとつひとつの食べ物が全部美味しい。マントゥは食べ切ることができないほど山盛りだった。夜も更けて、バスでホテルへと戻る。寝る前にビール!と思ったが、ホテルのカフェ売店は既に閉店。夜中に外出してまで買って来るまでの意欲はなく、潔く就寝。
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by yoshi_nora | 2010-08-25 04:02 | 2010トゥバ

8/4 登山行軍

朝。少し早めに目が覚めたので、昨日と同じように湖の辺を散歩する。静かな朝がよい。鳥の鳴き声と川のせせらぎ、たまに通る車のエンジン音とタイヤがアスファルトに擦れる音だけが聴こえる。

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と、遠くからワンワンワン、と犬の鳴き声が聞こえてきた。遥か向こうに、例の遊んで犬の姿が見える。彼はエスカレートすると噛みつくようだから、ああ、お前は来なくてもよいのだよ、と心で念じたところ、そんなことは意に介さずに、わーい!と駆け寄ってきた。猛ダッシュであっという間に足元まで来ると、やはり「がるる!」と噛みついてくる。わーダメだよーと後退りすると、「遊んでよ遊んでー!がるる」と、どんどんにじり寄って来る。困ったなー、と彼の身体を抑えて「こら!ダメでしょ!」などと叱っていると(朝っぱらから何をやっているのか)、えー遊んでくれないのー…とションボリ。近くの建物の玄関で座って寝始めた。なにか可哀想なことをしたなと多少の罪悪感を感じつつ、湖散策を続ける。

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ふと気がつくと、彼はいつの間にか再び背後に迫っていた。一応、さっき怒られたからか、噛みついてこない。ねー遊んでよー。キューンキューンと無くこの黒い彼はかわいい。歩くと一緒について来るので、しばらく2人で歩く。キャンプ入り口から朝のジョギングに出る集団が見えてくると、新たな遊び相手を見つけた黒い彼はそわそわし始める。ジョギング集団が走り出すと、すわ、もう我慢できないぞと黒い彼は集団に向かって全力疾走。ジョギング集団と一緒に道の向こうに消えていった。そろそろ起床時間なので、若干の寂しさを感じつつ部屋に戻る。



いつものようにカフェで朝食を摂ったあと、今日はやはり山にハイキングに行く予定だ。が、出発時間がやや不明。マラットさんのドシュを借りて弾いたりして過ごす。いく度かの時間変更があり、これは今日行けるのかなーという感じになっていた。ので、今のうちにとホーメイジたちの部屋にお邪魔する。入り口に居たセルゲイさんに、ちょっと自信のなかった昨日書き写した歌詞を見てもらうと、何故か合唱になった。歌詞は合っているらしい。ただ、「четчен-ле бээр」のところが難しく、発音を何度か注意される。

※追記:
「четчен-ле бээр」
  ↓
「четчи-ле бээр」の間違いでした


テーブルにある別の歌詞を目ざとく見つけて、これも歌?と聞くとそうだ、とのこと。厚かましくこれも教えてーとノートに書き写す。やはりネイティブの筆記体に苦労する。ウッペイさんがひとつひとつ丁寧に教えてくれた。ひとつのコジャムクと民謡の計2曲。



わーい、ありがとうーчеттирдим!と部屋を後にすると、山へ向かう準備は既に整っていたようだ。わーすみません、と慌てて荷物を持って出発。

我々を護送もとい届けてくれるのは、この車。

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ごつ過ぎ。軍隊か。後ろに乗り込んで走り出すと案の定揺れるゆれる。椅子からずり落ちそうになり、揺れる程皆のテンションは上がっていく。ゲラゲラと笑っているうちに目的地に到着。

ガイドのアンドレイは、凄まじくごつい装備。ぼくスニーカーなんですけど、、、大丈夫かな。開始早々ぬかるんで足を取られる洗礼を浴びて、やや不安になる。ホーメイジたちも同行だが、「山に行くんだってー。じゃあ俺らも混ぜてもらおうぜ」的に飛び入り参加だということは、後で知った。山の男たちはやはり歩みも早い。先頭を行く重装備のアンドレイと手ぶらのホーメイジの差がおかしい。



行きはよいよい。綺麗な景色に胸を躍らせつつ歩く。

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後半、段々ときつくなってきた。靴もどろどろ。しかし、難儀な道のりの向こうに待っていたのは、素晴らしい光景だった。

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しばらくののちに下山。これから来た道を戻るのかと思うと少々気が重い。どろどろの足元は次第に重くなり、大量の蚊に囲まれ、手にはよく分からない虫の噛み跡も付けられつつ下山。ちなみに山にはヤマダニというダニが居て、ロシアのそれは悪いウイルスを持っており、刺されたら3日以内に血清をうたなければ死んでしまうそうだ。極度の心配症なので、アンドレイにこれって何の跡?と聞いてみると、おもむろにナイフを取り出した。えっ、と思ったら、アンドレイ松の木の皮を剥いで松脂を付けろと言う。んー山の男かっこよし。



下山した頃には夜となり、カフェが閉まる前に夕食を摂らなければならない。カフェでは学生たちの連日の催し物があり、今日も変わらず賑やかだった。隠し芸大会的に歌や踊りを披露している。先生のバヤンを伴奏に小さい女の子の歌う歌がとても可愛らしかった。

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ふと見ると、あれ?セルゲイさんがマイクを持っている。慌ててデジカメを持って最前列に行くと、セルゲイさん紹介の下、ウッペイさんが登場。飲んでいるのか妙にハイテンションだ。ホーメイを披露、ロシア民謡か?モダンなメロディーも奏でてコサックダンスで踊りまくる。…ウッペイさんってこんなひとだったっけ、、普段のもの静かな姿と違った一面を垣間見る。大分笑った。



すっかり疲れ切って部屋に戻った。シャワーを浴びて、泥だらけの靴もこのままにしておけないのでとりあえず洗う。同室のメンバー氏にアミノ的なものをもらう。マッサージまでして貰って、これがまたうまい。聞くと、以前のトゥバ旅行でトゥバ人相手にもマッサージして好評だったらしい。お礼に肩を揉んでから就寝。
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by yoshi_nora | 2010-08-23 07:44 | 2010トゥバ

8/3 エルガキキャンプ

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とても静かな朝を迎えた。カフェで朝食を摂ろうとしたが、まだ営業前だったので近くの湖まで散歩。黒犬が遊んでー、と近づいてきた。暫くの間かまっているうちに、ツアーメンバーのひとりについて何処かへ行ってしまった。(あとで聞いたところによると、段々とエスカレートしてきて、ガブガブと噛んできたらしい)

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カフェで朝食。その後で最初のホーメイワークショップの予定だが、トゥバチームは未だ現れず。なんともマイペースだ。暫くしたのち、キャンプの一部屋に集合して第一回スタートとなった。まずはホーメイジたちの模範演奏から。

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左から、
* オトクン・ドスタイ
* アルドゥンオール・セベック
* ウッペイ・アンドレイ
* セルゲイ・オンダール

基本について何度も教えてもらう。教え方にも勿論説得力があるが、なにより目前で聴き、また聴いてもらいアドバイスを受けるという機会は、そうはない貴重な時間だ。濃い時間を過ごして終了。



「楽器を買いたいひとは?」

ワークショップの終わりにそんな質問が出た。先にふたり日本からイギルとドシュプルールを予約していると伺っていたが、自分ももし買えるならと挙手。水筒型のドシュプルールが欲しいのだ。ホーメイジたちの部屋にお邪魔すると、ドシュが2本とイギルが3本並べられていた。ひとつはボックス型で、そのマスターはhuun-huur-tuに楽器を作るというひとらしい(名前を失念してしまった)。もう一本は水筒型で、マスターはマラット氏。日本にいる時の事前情報で、とても良いと聞いている。豪勢な2本。わー欲しいーと思いつつ、先約のかたで売り切れ。こういったものは縁なので、まあ機会があれば旅の間に巡り合うことでしょう。イギルは3本。残った1本には食指は動かず見送った。



さて、その後は昨日の仕切り直しのBBQ。本日も名だたるホーメイジたちが火おこしをしている。

が、

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ごうごうと燃える火にどんどんとくべられたジャガイモはこのような有様になり。

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薪をくべてから火が落ち着くまで待つべきという話が出て、火を保つべくお手伝いしているうちに、「ああ、じゃあよろしく」といった感じか、トゥバメンバーは居なくなってしまった。笑

火を起こしては雨が降り、やがてまた晴れるを繰り返したのち、やっと準備が整い焼いていく。美味しそうな豚肉も登場、網焼き。こんがりと美味しそう!と思ったが、中は生焼け。焼き直そうとしたところ、お肉が次々とピストン輸送されて焼きスペース不足に。生肉かじったし消毒しなきゃね、という名目でウォッカをあおる。既に数時間経過して夕方近くだ。



BBQ後、バーニャというロシア式のサウナに入る。名だたるホーメイジたちと肩を並べて入るサウナに若干緊張する。木の枝で身体をバシバシしばく。折角なので、オトクンさんに存分にしばき倒してもらった。



さっぱりして一段落したところで、「さて、またやるか」とワークショップ第二回。もう夕食かなと思っていたところ、日が長いのでイベント盛り沢山だ。第一回よりも緊張がとれ、皆でのびのびと声を出す。



その後、カフェで夕食。頼む食事は全て作り置きされており、注文ひとつひとつをレンジでチンするという非効率作業。かろうじてレンジは2台用意されているところに効率化への努力を感じる。ということにしておく。



部屋に戻る頃にはすっかり夜。星がよく見える。メンバーのひとりと星座の話になるが、そういうことに疎くてよく分からない。北斗七星、カシオペア座から北極星を辿る方法を教えてもらい、しばしの間、空を見上げて星を観察していた。
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by yoshi_nora | 2010-08-19 06:33 | 2010トゥバ

8/2 大移動

朝。晴れわたった良い天気だ。

朝食後、両替などを済ませてから国内線の空港へ向かう。向こうでどのくらい使いそうか見当がつかないので、とりあえず日本円で3万円分を両替。トゥバでもカードでルーブルを引き出せるようなので、足りなくなったらそれを利用しよう。現地で色々と手配してくださったガイドさんは、ハードロックが大好きだそうだ。去年から、ブータン、キルギスに続いて、旅先に必ず現れるハードロック愛好家。人知れず何かを醸し出して呼び寄せてしまっているのだろうか。

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空港で手続き後、お土産物屋さんを見て回る。日本でも海に面した街で売ってそうな貝細工の動物がリアリティーあふれる良い作品だった。他にも煌びやかな石が奢られた金色の蛙の小物入れなど。以前に東京のお店で見かけたチェブラーシカのマトリョーシカもあったが、1,500ルーブル=約4,500円也。東京のお店のお兄さんに話を伺った時も、たしかそれくらいしたと言っていた。欲しい!けど、高いのと、まだ目的地にも着いていないのにということで思い留まる。

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しばしの待ち時間ののち、搭乗して機内。今度は5時間ほどのフライトだ。今回は水は降ってこなかった。ツアーメンバーのかたから、折り紙や手品の披露や伝授してもらっているうちに、雲を抜けて眼下に大自然と街並みが広がってきた。フライトの到着先、ハカス共和国のアバカンだ。もう夕方だが、外は十分に明るく日が暮れる気配はない。

空港からの出口は、フェンスからそのまま出る形になる。機内でメンバーと折り紙友達になっていた少女の姿も見える。ロシア系が多い中、フェンス横でしきりに手招きしているアジア系の顔立ちの男性を見かける。ん?と思いつつ一瞬通り過ぎたが、「マキガミサン」と呼んでいる声が聞こえて立ち止まった。

出迎えてくれていたのは、セルゲイ・オンダール氏。大御所が普通に居ることにまだ実感が沸かない。あとで聞くところによると、セルゲイさんはたまたま空港に居合わせていたそうだ。が、彼はそのままツアーバスに同乗し、数日間一緒に旅をすることとなった。なんというフットワークの軽さ。

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日はまだ落ちる気配はなく、今のうちに更に車で移動。途中でガソリン補給&休憩などを挟みつつ、向かうは大自然のど真ん中、ロシア共和国に入ってクラスノヤルスク地方のエルガキキャンプ。ツアー前半は、ここに滞在してホーメイをじっくり学ぶ。つまり、トゥバ入国はもう暫くお預けだ。

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キャンプでは、ホーメイジの面々がBBQの準備をしてくれていた。

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…が、暫くして天候は翳り、雨。残念だがBBQは明日に持ち越しで、キャンプ併設のカフェで夕食を摂ることになった。カフェに向かうと、ロシア系の学生たちの移動教室だろうか、討論会と思しきものや合唱で盛り上がっていた。

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学生の幾人かは英語で話し掛けてくる。万国共通なのか、漫画が好き!デスノート!ブリーチ!という子など。物珍しさからか、段々と学生たちが集まってくる。聞くと、クラスノヤルスク市内から来ているそうで、10日間ほど滞在して自然に触れる恒例行事だそうだ。最後は皆で合唱してくれたが、程なくして先生と思われる人物に注意されて解散していった。



部屋に戻る前にオトクンさんに、1ガロンほどのペットボトルに入った飲みかけのビールを貰う。ということで、その後もツアー参加メンバーで部屋に戻って乾杯。コップが足りずに水の空きボトルにビールを注いで飲んでいると、直ぐに酔いが回る。雨漏りの騒動を遠くに聞きながら、ひとりウトウトと眠ってしまっていた。夜も更けて会合はお開き、明日に備えて就寝。トゥバ入国は、まだもうちょっと先だ。
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by yoshi_nora | 2010-08-18 04:15 | 2010トゥバ

8/1 トゥバへ

出発の朝。事前の準備から、これまでよりも比較的余裕をもって家を出ることができた、、と思う。遂にというかやっとトゥバに行くことができる。言葉的にも(ロシア語)、日程的にも中々手を出し難かったところ、今回はうまく都合がつき、巻上公一さん主催のトゥバツアーに参加することとなった。トゥバ民謡が好きな身としては一度は訪れたい彼の地は、一体どのようなところなのか。



約束の時間近くに待ち合わせ場所に行くと、特にそれらしき集まりがある様子は見られない。キョロキョロと暫く辺りを見回しているうちに同じツアーと思しきタグの荷物を発見、話し掛けてみるとやはりそうだった。はじめまして、よろしくお願いしますといった話をしているうちに参加者が続々と集結した。年齢性別国籍など幅に富んだメンバーだ。

成田空港で日本円からルーブルに両替できるようだったが、あらかたドルで用意してきているのでその場での両替は見合わせた。



出発。初っ端からウラジオストク航空お見舞いされることとなる。空調の隙間からはもくもくと煙のようなものがひっきりなしに流れており、スーパーの生鮮野菜売り場を彷彿とさせた。飛行機が離陸すると、温度差からか天井から水滴が発生して隙間から染み出し、我々に降り掛かる。ちょうど通路側に位置していたので思いっきり被ることとなった。

そんなことは他所に、飛行機は我々を乗せて成田空港からウラジオストクへ。正味2時間ほどのフライトであっさりとロシアに入国した。



国際空港。
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その左手には、国内線の空港がある。
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振り向くと、今日の宿泊先。
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今日は空港横のホテルで一泊、翌朝のハカス共和国アバカンへの便を待つ。まだ目的地にも着いていないのに、ホテルのお土産物コーナーに思わず吸い込まれてしまう(自分含めて、これが今回のツアーメンバーの特長となった)。夕食を摂ってツアー参加者がそれぞれ自己紹介。ホテル同室の子と地元・野方の話などして就寝。
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by yoshi_nora | 2010-08-15 23:59 | 2010トゥバ

トゥバから帰国しました

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写真は、エルジェイキャンプの赤い木の実。



無事にトゥバから帰国しました。バイタイガとムングンタイガからのホーメイジが旅路に同行、素敵な仲間たち、盛り沢山のイベントなどなど、抱えきれないほど沢山のことを持って帰ってきました。

旅行記は整理ちゅうです。力加減を間違えて書ききれない!という前歴を考慮して、今回はその場で纏める作戦で九割方書き終えております。写真と併せて追々アップしていきます。
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by yoshi_nora | 2010-08-14 05:07 | ホーメイ

3/28(土) パロ、バンコク、成田

ブータン最後の朝だ。いつも通りの朝食。向かいでは、昨日到着したと思しき日本人観光客グループが食卓を囲んでいる。



荷物をまとめて車へ。来た時と同じように、パロ・チュ(川)沿いに空港へと向かう。ガイドのウゲンに「次はどこに旅行するの?」と聞かれる。キルギスに行きたいと答えたが、ぴんと来ず。場所がよく分からないようだ。

※その数ヶ月ののち、無事にキルギスにも行くことができた

と、川沿いの道が混み出し、みるみる大渋滞になった。どうしたの、と尋ねると、飛行機が発着する時に空港近くの道が一旦通行止めになるとのこと。のんびりとした信号待ちに近い。しばらくして、びゅーんと飛行機が飛び去っていった。すると、みるみると車は進み、渋滞は解消していった。



空港。ここでガイドのウゲン、ドライバーのタシともお別れだ。感慨深く感じつつ皆で記念撮影。ウゲン曰く、次の日にはまた次の旅行者がやって来るらしい。じゃあね、と挨拶。車は走り去り、ぼくは空港へと歩を進めた。

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手続きを一通り済ませて、待合室。職員がアンケートをとっていて、ブータンはどうでしたか?とのことで、用紙に記入する。観光で成り立つ国なだけに、よりよい環境を作るべく努力しているのだなあ。

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出発。列に並んだところで酔っ払い氏に会う。氏は、「あなたは若いんだから、エコノミーで頑張りなさい」と言って(しかしそんなに若くはない)ビジネスの方の入口へ。ではまたバンコクで、挨拶して搭乗。離陸。窓から外を眺めると、パロの街はみるみる小さくなっていった。



バンコク。成田行きの便のトランジット待ちだ。広大な敷地に色々なお店がはいっていて時間潰しには事欠かない。腹ごしらえ。お土産物色など。うろうろ歩いていると、ベンチで休んでいる酔っ払い氏に会った。さすがにもう驚かない。「やあ、また会いましたね」と。ひとしきり話して「では」と。まだ時間が余っているので、タイ式マッサージでのんびり。

…その後も都合3回、氏と遭遇した。



バンコクから成田へ。荷物引き取りのところで、最後の最後でまた氏に遭遇した。あなたのおかげで旅が華やぎました。ありがとう。握手をしてその場を去る。



地元へと戻ると、もうちらほらと桜が咲き始めていた。出発前とあとで、もう大分季節が変わったようだ。小さな花びら、さあ今にも開かんとしているつぼみを眺めながら、家路を戻っていった。

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おわり
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by yoshi_nora | 2010-08-14 04:15 | 2009ブータン

3/27(金) その3 旅の終わり

タクツァンの道中を共にした旅行者の方々とお別れし、途中のレストランで昼食。先ほどの同行者のひとりが同じ方面だったので、ご一緒する。ガイドのウゲンは、唐辛子をペースト状にしたものを「食べる?」と分けてくれた。ぼくはもう慣れていたが、同行のかたはブータン2日目で初の唐辛子の洗礼らしく、「辛い!ありえん!」と嘆いておられた。しかし、それが不思議とおいしくなるのですよ。

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昼食後、レストラン兼民家の部屋、玄関に置かれたヤクの毛のテントを見学。同行のかたとも別れて、次なる目的地・ドゥゲ・ゾンへと向かう。

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ドゥゲ・ゾンは、その名の通りゾンなのだが、火災で焼け落ちて廃墟と化している。17世紀のチベット軍侵攻を撃退した折に建てられたそうだが、ご多分にもれずバターランプと火災にはもろいようだ。ドゥゲ・ゾンでは、廃墟のなか植物が育ち、陽が差し込んで風がびゅう、と抜けていく。遠くの山々、民家を見渡せて気持ちがよい。



ドゥゲ・ゾンを後にして、最後の訪問地キチュラカンへと向かう。キチュ・ラカンは、先に訪問したジャンパ・ラカンと同じくチベットの統一王ソンツェン・ガンポが建立した108の寺のうちのひとつで、ブータン仏教の歴史のなかで建立された数々の寺とは異なった歴史を持つ。

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ああ、もう最後なんだな、という感慨もあってか、ここが一番印象に残った訪問先となった。なんとも穏やかな空気に包まれていて、静かだ。

そんな気持ちを知ってか知らずか、犬はすやすやと眠る

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その後、パロの街でお土産もの探しとブータン民謡のCD探し。めぼしいものを見つけて、街をぐるりと歩いて回る。ブムタンまでをぐるりと見てくると、パロがブータン第二の都市であるということは分かるのだが、それでも歩くと目ぼしいところはすぐに見終わってしまう。道を行ったり来たりしつつ、待ち合わせ場所へと戻る。そして宿へ。



宿の手前で、酔っ払い氏に(またもや)会う。先に戻ってから近辺の写真を撮ってまわっているようだ。

宿に戻ってひとっ風呂。滞在中はシャワーばかりだったが、ここには石焼き風呂の設備が用意されている。熱く焼いた石をどぼんと入れてお湯を沸かすシステムだ。外から湯船に向かってトタンのようなものでできた太いパイプが引き込まれている。外で待機する湯沸し担当さんにお願いすると、新たな熱石を投入してくれるという寸法だ。折角なのでひとつお願いする。

がたん、ごろんごろんがらん!

けたたましい音を鳴らしてから、どぼん!と石が湯船に入って、湯加減がほんのり暖かくなる。こういうラーメンがあったなたしか。



さっぱりして部屋に戻る。ブータン民族衣装『ゴ』を着させてもらう。着物のようなもので、足が露出するのでハイソックスを履くというシステム。まあ大丈夫か。と、普通の靴下で済ませたが、やはり見るも無残。ブータン国王スタイル(斜め45度の遠くを見据えつつ直立)で記念写真だ。



ゴを着たまま夕食。今宵も酔っ払い氏と晩酌だ。氏も最終日で帰りも一緒ですね、など色々話す。しばらくして部屋に戻り、ブータンケーブルTV。学芸会と思しき子供たちの踊りの映像が繰り返し流されているので、それをつけっぱなしにしつつ、うつらうつらと眠りにはいっていった。

つづく
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by yoshi_nora | 2010-08-14 04:10 | 2009ブータン


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★3月下旬のタルバガンによるワークショップは中止にしました。日を改めて開催しますので、ご興味ございましたらお問い合わせください。

★のびやかなおんがくを奏でます。fokcea crispaはこちらから
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