8/4 登山行軍

朝。少し早めに目が覚めたので、昨日と同じように湖の辺を散歩する。静かな朝がよい。鳥の鳴き声と川のせせらぎ、たまに通る車のエンジン音とタイヤがアスファルトに擦れる音だけが聴こえる。

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と、遠くからワンワンワン、と犬の鳴き声が聞こえてきた。遥か向こうに、例の遊んで犬の姿が見える。彼はエスカレートすると噛みつくようだから、ああ、お前は来なくてもよいのだよ、と心で念じたところ、そんなことは意に介さずに、わーい!と駆け寄ってきた。猛ダッシュであっという間に足元まで来ると、やはり「がるる!」と噛みついてくる。わーダメだよーと後退りすると、「遊んでよ遊んでー!がるる」と、どんどんにじり寄って来る。困ったなー、と彼の身体を抑えて「こら!ダメでしょ!」などと叱っていると(朝っぱらから何をやっているのか)、えー遊んでくれないのー…とションボリ。近くの建物の玄関で座って寝始めた。なにか可哀想なことをしたなと多少の罪悪感を感じつつ、湖散策を続ける。

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ふと気がつくと、彼はいつの間にか再び背後に迫っていた。一応、さっき怒られたからか、噛みついてこない。ねー遊んでよー。キューンキューンと無くこの黒い彼はかわいい。歩くと一緒について来るので、しばらく2人で歩く。キャンプ入り口から朝のジョギングに出る集団が見えてくると、新たな遊び相手を見つけた黒い彼はそわそわし始める。ジョギング集団が走り出すと、すわ、もう我慢できないぞと黒い彼は集団に向かって全力疾走。ジョギング集団と一緒に道の向こうに消えていった。そろそろ起床時間なので、若干の寂しさを感じつつ部屋に戻る。



いつものようにカフェで朝食を摂ったあと、今日はやはり山にハイキングに行く予定だ。が、出発時間がやや不明。マラットさんのドシュを借りて弾いたりして過ごす。いく度かの時間変更があり、これは今日行けるのかなーという感じになっていた。ので、今のうちにとホーメイジたちの部屋にお邪魔する。入り口に居たセルゲイさんに、ちょっと自信のなかった昨日書き写した歌詞を見てもらうと、何故か合唱になった。歌詞は合っているらしい。ただ、「четчен-ле бээр」のところが難しく、発音を何度か注意される。

※追記:
「четчен-ле бээр」
  ↓
「четчи-ле бээр」の間違いでした


テーブルにある別の歌詞を目ざとく見つけて、これも歌?と聞くとそうだ、とのこと。厚かましくこれも教えてーとノートに書き写す。やはりネイティブの筆記体に苦労する。ウッペイさんがひとつひとつ丁寧に教えてくれた。ひとつのコジャムクと民謡の計2曲。



わーい、ありがとうーчеттирдим!と部屋を後にすると、山へ向かう準備は既に整っていたようだ。わーすみません、と慌てて荷物を持って出発。

我々を護送もとい届けてくれるのは、この車。

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ごつ過ぎ。軍隊か。後ろに乗り込んで走り出すと案の定揺れるゆれる。椅子からずり落ちそうになり、揺れる程皆のテンションは上がっていく。ゲラゲラと笑っているうちに目的地に到着。

ガイドのアンドレイは、凄まじくごつい装備。ぼくスニーカーなんですけど、、、大丈夫かな。開始早々ぬかるんで足を取られる洗礼を浴びて、やや不安になる。ホーメイジたちも同行だが、「山に行くんだってー。じゃあ俺らも混ぜてもらおうぜ」的に飛び入り参加だということは、後で知った。山の男たちはやはり歩みも早い。先頭を行く重装備のアンドレイと手ぶらのホーメイジの差がおかしい。



行きはよいよい。綺麗な景色に胸を躍らせつつ歩く。

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後半、段々ときつくなってきた。靴もどろどろ。しかし、難儀な道のりの向こうに待っていたのは、素晴らしい光景だった。

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しばらくののちに下山。これから来た道を戻るのかと思うと少々気が重い。どろどろの足元は次第に重くなり、大量の蚊に囲まれ、手にはよく分からない虫の噛み跡も付けられつつ下山。ちなみに山にはヤマダニというダニが居て、ロシアのそれは悪いウイルスを持っており、刺されたら3日以内に血清をうたなければ死んでしまうそうだ。極度の心配症なので、アンドレイにこれって何の跡?と聞いてみると、おもむろにナイフを取り出した。えっ、と思ったら、アンドレイ松の木の皮を剥いで松脂を付けろと言う。んー山の男かっこよし。



下山した頃には夜となり、カフェが閉まる前に夕食を摂らなければならない。カフェでは学生たちの連日の催し物があり、今日も変わらず賑やかだった。隠し芸大会的に歌や踊りを披露している。先生のバヤンを伴奏に小さい女の子の歌う歌がとても可愛らしかった。

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ふと見ると、あれ?セルゲイさんがマイクを持っている。慌ててデジカメを持って最前列に行くと、セルゲイさん紹介の下、ウッペイさんが登場。飲んでいるのか妙にハイテンションだ。ホーメイを披露、ロシア民謡か?モダンなメロディーも奏でてコサックダンスで踊りまくる。…ウッペイさんってこんなひとだったっけ、、普段のもの静かな姿と違った一面を垣間見る。大分笑った。



すっかり疲れ切って部屋に戻った。シャワーを浴びて、泥だらけの靴もこのままにしておけないのでとりあえず洗う。同室のメンバー氏にアミノ的なものをもらう。マッサージまでして貰って、これがまたうまい。聞くと、以前のトゥバ旅行でトゥバ人相手にもマッサージして好評だったらしい。お礼に肩を揉んでから就寝。
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# by yoshi_nora | 2010-08-23 07:44 | 2010トゥバ

8/3 エルガキキャンプ

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とても静かな朝を迎えた。カフェで朝食を摂ろうとしたが、まだ営業前だったので近くの湖まで散歩。黒犬が遊んでー、と近づいてきた。暫くの間かまっているうちに、ツアーメンバーのひとりについて何処かへ行ってしまった。(あとで聞いたところによると、段々とエスカレートしてきて、ガブガブと噛んできたらしい)

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カフェで朝食。その後で最初のホーメイワークショップの予定だが、トゥバチームは未だ現れず。なんともマイペースだ。暫くしたのち、キャンプの一部屋に集合して第一回スタートとなった。まずはホーメイジたちの模範演奏から。

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左から、
* オトクン・ドスタイ
* アルドゥンオール・セベック
* ウッペイ・アンドレイ
* セルゲイ・オンダール

基本について何度も教えてもらう。教え方にも勿論説得力があるが、なにより目前で聴き、また聴いてもらいアドバイスを受けるという機会は、そうはない貴重な時間だ。濃い時間を過ごして終了。



「楽器を買いたいひとは?」

ワークショップの終わりにそんな質問が出た。先にふたり日本からイギルとドシュプルールを予約していると伺っていたが、自分ももし買えるならと挙手。水筒型のドシュプルールが欲しいのだ。ホーメイジたちの部屋にお邪魔すると、ドシュが2本とイギルが3本並べられていた。ひとつはボックス型で、そのマスターはhuun-huur-tuに楽器を作るというひとらしい(名前を失念してしまった)。もう一本は水筒型で、マスターはマラット氏。日本にいる時の事前情報で、とても良いと聞いている。豪勢な2本。わー欲しいーと思いつつ、先約のかたで売り切れ。こういったものは縁なので、まあ機会があれば旅の間に巡り合うことでしょう。イギルは3本。残った1本には食指は動かず見送った。



さて、その後は昨日の仕切り直しのBBQ。本日も名だたるホーメイジたちが火おこしをしている。

が、

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ごうごうと燃える火にどんどんとくべられたジャガイモはこのような有様になり。

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薪をくべてから火が落ち着くまで待つべきという話が出て、火を保つべくお手伝いしているうちに、「ああ、じゃあよろしく」といった感じか、トゥバメンバーは居なくなってしまった。笑

火を起こしては雨が降り、やがてまた晴れるを繰り返したのち、やっと準備が整い焼いていく。美味しそうな豚肉も登場、網焼き。こんがりと美味しそう!と思ったが、中は生焼け。焼き直そうとしたところ、お肉が次々とピストン輸送されて焼きスペース不足に。生肉かじったし消毒しなきゃね、という名目でウォッカをあおる。既に数時間経過して夕方近くだ。



BBQ後、バーニャというロシア式のサウナに入る。名だたるホーメイジたちと肩を並べて入るサウナに若干緊張する。木の枝で身体をバシバシしばく。折角なので、オトクンさんに存分にしばき倒してもらった。



さっぱりして一段落したところで、「さて、またやるか」とワークショップ第二回。もう夕食かなと思っていたところ、日が長いのでイベント盛り沢山だ。第一回よりも緊張がとれ、皆でのびのびと声を出す。



その後、カフェで夕食。頼む食事は全て作り置きされており、注文ひとつひとつをレンジでチンするという非効率作業。かろうじてレンジは2台用意されているところに効率化への努力を感じる。ということにしておく。



部屋に戻る頃にはすっかり夜。星がよく見える。メンバーのひとりと星座の話になるが、そういうことに疎くてよく分からない。北斗七星、カシオペア座から北極星を辿る方法を教えてもらい、しばしの間、空を見上げて星を観察していた。
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# by yoshi_nora | 2010-08-19 06:33 | 2010トゥバ

8/2 大移動

朝。晴れわたった良い天気だ。

朝食後、両替などを済ませてから国内線の空港へ向かう。向こうでどのくらい使いそうか見当がつかないので、とりあえず日本円で3万円分を両替。トゥバでもカードでルーブルを引き出せるようなので、足りなくなったらそれを利用しよう。現地で色々と手配してくださったガイドさんは、ハードロックが大好きだそうだ。去年から、ブータン、キルギスに続いて、旅先に必ず現れるハードロック愛好家。人知れず何かを醸し出して呼び寄せてしまっているのだろうか。

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空港で手続き後、お土産物屋さんを見て回る。日本でも海に面した街で売ってそうな貝細工の動物がリアリティーあふれる良い作品だった。他にも煌びやかな石が奢られた金色の蛙の小物入れなど。以前に東京のお店で見かけたチェブラーシカのマトリョーシカもあったが、1,500ルーブル=約4,500円也。東京のお店のお兄さんに話を伺った時も、たしかそれくらいしたと言っていた。欲しい!けど、高いのと、まだ目的地にも着いていないのにということで思い留まる。

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しばしの待ち時間ののち、搭乗して機内。今度は5時間ほどのフライトだ。今回は水は降ってこなかった。ツアーメンバーのかたから、折り紙や手品の披露や伝授してもらっているうちに、雲を抜けて眼下に大自然と街並みが広がってきた。フライトの到着先、ハカス共和国のアバカンだ。もう夕方だが、外は十分に明るく日が暮れる気配はない。

空港からの出口は、フェンスからそのまま出る形になる。機内でメンバーと折り紙友達になっていた少女の姿も見える。ロシア系が多い中、フェンス横でしきりに手招きしているアジア系の顔立ちの男性を見かける。ん?と思いつつ一瞬通り過ぎたが、「マキガミサン」と呼んでいる声が聞こえて立ち止まった。

出迎えてくれていたのは、セルゲイ・オンダール氏。大御所が普通に居ることにまだ実感が沸かない。あとで聞くところによると、セルゲイさんはたまたま空港に居合わせていたそうだ。が、彼はそのままツアーバスに同乗し、数日間一緒に旅をすることとなった。なんというフットワークの軽さ。

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日はまだ落ちる気配はなく、今のうちに更に車で移動。途中でガソリン補給&休憩などを挟みつつ、向かうは大自然のど真ん中、ロシア共和国に入ってクラスノヤルスク地方のエルガキキャンプ。ツアー前半は、ここに滞在してホーメイをじっくり学ぶ。つまり、トゥバ入国はもう暫くお預けだ。

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キャンプでは、ホーメイジの面々がBBQの準備をしてくれていた。

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…が、暫くして天候は翳り、雨。残念だがBBQは明日に持ち越しで、キャンプ併設のカフェで夕食を摂ることになった。カフェに向かうと、ロシア系の学生たちの移動教室だろうか、討論会と思しきものや合唱で盛り上がっていた。

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学生の幾人かは英語で話し掛けてくる。万国共通なのか、漫画が好き!デスノート!ブリーチ!という子など。物珍しさからか、段々と学生たちが集まってくる。聞くと、クラスノヤルスク市内から来ているそうで、10日間ほど滞在して自然に触れる恒例行事だそうだ。最後は皆で合唱してくれたが、程なくして先生と思われる人物に注意されて解散していった。



部屋に戻る前にオトクンさんに、1ガロンほどのペットボトルに入った飲みかけのビールを貰う。ということで、その後もツアー参加メンバーで部屋に戻って乾杯。コップが足りずに水の空きボトルにビールを注いで飲んでいると、直ぐに酔いが回る。雨漏りの騒動を遠くに聞きながら、ひとりウトウトと眠ってしまっていた。夜も更けて会合はお開き、明日に備えて就寝。トゥバ入国は、まだもうちょっと先だ。
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# by yoshi_nora | 2010-08-18 04:15 | 2010トゥバ

8/1 トゥバへ

出発の朝。事前の準備から、これまでよりも比較的余裕をもって家を出ることができた、、と思う。遂にというかやっとトゥバに行くことができる。言葉的にも(ロシア語)、日程的にも中々手を出し難かったところ、今回はうまく都合がつき、巻上公一さん主催のトゥバツアーに参加することとなった。トゥバ民謡が好きな身としては一度は訪れたい彼の地は、一体どのようなところなのか。



約束の時間近くに待ち合わせ場所に行くと、特にそれらしき集まりがある様子は見られない。キョロキョロと暫く辺りを見回しているうちに同じツアーと思しきタグの荷物を発見、話し掛けてみるとやはりそうだった。はじめまして、よろしくお願いしますといった話をしているうちに参加者が続々と集結した。年齢性別国籍など幅に富んだメンバーだ。

成田空港で日本円からルーブルに両替できるようだったが、あらかたドルで用意してきているのでその場での両替は見合わせた。



出発。初っ端からウラジオストク航空お見舞いされることとなる。空調の隙間からはもくもくと煙のようなものがひっきりなしに流れており、スーパーの生鮮野菜売り場を彷彿とさせた。飛行機が離陸すると、温度差からか天井から水滴が発生して隙間から染み出し、我々に降り掛かる。ちょうど通路側に位置していたので思いっきり被ることとなった。

そんなことは他所に、飛行機は我々を乗せて成田空港からウラジオストクへ。正味2時間ほどのフライトであっさりとロシアに入国した。



国際空港。
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その左手には、国内線の空港がある。
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振り向くと、今日の宿泊先。
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今日は空港横のホテルで一泊、翌朝のハカス共和国アバカンへの便を待つ。まだ目的地にも着いていないのに、ホテルのお土産物コーナーに思わず吸い込まれてしまう(自分含めて、これが今回のツアーメンバーの特長となった)。夕食を摂ってツアー参加者がそれぞれ自己紹介。ホテル同室の子と地元・野方の話などして就寝。
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# by yoshi_nora | 2010-08-15 23:59 | 2010トゥバ

トゥバから帰国しました

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写真は、エルジェイキャンプの赤い木の実。



無事にトゥバから帰国しました。バイタイガとムングンタイガからのホーメイジが旅路に同行、素敵な仲間たち、盛り沢山のイベントなどなど、抱えきれないほど沢山のことを持って帰ってきました。

旅行記は整理ちゅうです。力加減を間違えて書ききれない!という前歴を考慮して、今回はその場で纏める作戦で九割方書き終えております。写真と併せて追々アップしていきます。
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# by yoshi_nora | 2010-08-14 05:07 | ホーメイ

3/28(土) パロ、バンコク、成田

ブータン最後の朝だ。いつも通りの朝食。向かいでは、昨日到着したと思しき日本人観光客グループが食卓を囲んでいる。



荷物をまとめて車へ。来た時と同じように、パロ・チュ(川)沿いに空港へと向かう。ガイドのウゲンに「次はどこに旅行するの?」と聞かれる。キルギスに行きたいと答えたが、ぴんと来ず。場所がよく分からないようだ。

※その数ヶ月ののち、無事にキルギスにも行くことができた

と、川沿いの道が混み出し、みるみる大渋滞になった。どうしたの、と尋ねると、飛行機が発着する時に空港近くの道が一旦通行止めになるとのこと。のんびりとした信号待ちに近い。しばらくして、びゅーんと飛行機が飛び去っていった。すると、みるみると車は進み、渋滞は解消していった。



空港。ここでガイドのウゲン、ドライバーのタシともお別れだ。感慨深く感じつつ皆で記念撮影。ウゲン曰く、次の日にはまた次の旅行者がやって来るらしい。じゃあね、と挨拶。車は走り去り、ぼくは空港へと歩を進めた。

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手続きを一通り済ませて、待合室。職員がアンケートをとっていて、ブータンはどうでしたか?とのことで、用紙に記入する。観光で成り立つ国なだけに、よりよい環境を作るべく努力しているのだなあ。

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出発。列に並んだところで酔っ払い氏に会う。氏は、「あなたは若いんだから、エコノミーで頑張りなさい」と言って(しかしそんなに若くはない)ビジネスの方の入口へ。ではまたバンコクで、挨拶して搭乗。離陸。窓から外を眺めると、パロの街はみるみる小さくなっていった。



バンコク。成田行きの便のトランジット待ちだ。広大な敷地に色々なお店がはいっていて時間潰しには事欠かない。腹ごしらえ。お土産物色など。うろうろ歩いていると、ベンチで休んでいる酔っ払い氏に会った。さすがにもう驚かない。「やあ、また会いましたね」と。ひとしきり話して「では」と。まだ時間が余っているので、タイ式マッサージでのんびり。

…その後も都合3回、氏と遭遇した。



バンコクから成田へ。荷物引き取りのところで、最後の最後でまた氏に遭遇した。あなたのおかげで旅が華やぎました。ありがとう。握手をしてその場を去る。



地元へと戻ると、もうちらほらと桜が咲き始めていた。出発前とあとで、もう大分季節が変わったようだ。小さな花びら、さあ今にも開かんとしているつぼみを眺めながら、家路を戻っていった。

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おわり
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# by yoshi_nora | 2010-08-14 04:15 | 2009ブータン

3/27(金) その3 旅の終わり

タクツァンの道中を共にした旅行者の方々とお別れし、途中のレストランで昼食。先ほどの同行者のひとりが同じ方面だったので、ご一緒する。ガイドのウゲンは、唐辛子をペースト状にしたものを「食べる?」と分けてくれた。ぼくはもう慣れていたが、同行のかたはブータン2日目で初の唐辛子の洗礼らしく、「辛い!ありえん!」と嘆いておられた。しかし、それが不思議とおいしくなるのですよ。

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昼食後、レストラン兼民家の部屋、玄関に置かれたヤクの毛のテントを見学。同行のかたとも別れて、次なる目的地・ドゥゲ・ゾンへと向かう。

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ドゥゲ・ゾンは、その名の通りゾンなのだが、火災で焼け落ちて廃墟と化している。17世紀のチベット軍侵攻を撃退した折に建てられたそうだが、ご多分にもれずバターランプと火災にはもろいようだ。ドゥゲ・ゾンでは、廃墟のなか植物が育ち、陽が差し込んで風がびゅう、と抜けていく。遠くの山々、民家を見渡せて気持ちがよい。



ドゥゲ・ゾンを後にして、最後の訪問地キチュラカンへと向かう。キチュ・ラカンは、先に訪問したジャンパ・ラカンと同じくチベットの統一王ソンツェン・ガンポが建立した108の寺のうちのひとつで、ブータン仏教の歴史のなかで建立された数々の寺とは異なった歴史を持つ。

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ああ、もう最後なんだな、という感慨もあってか、ここが一番印象に残った訪問先となった。なんとも穏やかな空気に包まれていて、静かだ。

そんな気持ちを知ってか知らずか、犬はすやすやと眠る

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その後、パロの街でお土産もの探しとブータン民謡のCD探し。めぼしいものを見つけて、街をぐるりと歩いて回る。ブムタンまでをぐるりと見てくると、パロがブータン第二の都市であるということは分かるのだが、それでも歩くと目ぼしいところはすぐに見終わってしまう。道を行ったり来たりしつつ、待ち合わせ場所へと戻る。そして宿へ。



宿の手前で、酔っ払い氏に(またもや)会う。先に戻ってから近辺の写真を撮ってまわっているようだ。

宿に戻ってひとっ風呂。滞在中はシャワーばかりだったが、ここには石焼き風呂の設備が用意されている。熱く焼いた石をどぼんと入れてお湯を沸かすシステムだ。外から湯船に向かってトタンのようなものでできた太いパイプが引き込まれている。外で待機する湯沸し担当さんにお願いすると、新たな熱石を投入してくれるという寸法だ。折角なのでひとつお願いする。

がたん、ごろんごろんがらん!

けたたましい音を鳴らしてから、どぼん!と石が湯船に入って、湯加減がほんのり暖かくなる。こういうラーメンがあったなたしか。



さっぱりして部屋に戻る。ブータン民族衣装『ゴ』を着させてもらう。着物のようなもので、足が露出するのでハイソックスを履くというシステム。まあ大丈夫か。と、普通の靴下で済ませたが、やはり見るも無残。ブータン国王スタイル(斜め45度の遠くを見据えつつ直立)で記念写真だ。



ゴを着たまま夕食。今宵も酔っ払い氏と晩酌だ。氏も最終日で帰りも一緒ですね、など色々話す。しばらくして部屋に戻り、ブータンケーブルTV。学芸会と思しき子供たちの踊りの映像が繰り返し流されているので、それをつけっぱなしにしつつ、うつらうつらと眠りにはいっていった。

つづく
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# by yoshi_nora | 2010-08-14 04:10 | 2009ブータン

3/27(金) その2 聖地

しかし、まだ着かなかった。余裕がある時は会話を交わしつつ進むのだが、そうすると息が切れて水を含み、そうすると余裕ができてまた…を繰り返して登っていく。途中、どこから来たのか犬が一行に加わって先導していく。こっちだワン、というアフレコを入れるまでもなく一本道で、姿が見えなくなったかと思うと道の先でこちらの様子を振り返っている。歩を進める皆にそれぞれガイドがついているので、それなりの人数になるつつある一行の先頭を行く彼を、ガイドのウゲンは「彼がこの中で最も優秀なガイドだ」と笑わす。(まだ笑う余裕はある)



しばらく歩いていって、ついに展望台(只の崖だが)に到着した。ガイド犬も勿論一緒だ。崖の向こうにある僧院は、先程と異なりその全容を眼前に広げている。

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断崖にへばりつくように建つ寺。散々ガイド本やらネットやらで写真を見ていたものの、実物を見るとやはり圧倒される。まず考えられないところに鎮座するこの寺は、一目で特別であることが見てとれるだろう。

眼前に広がる寺ではあるが、その間にはおおきな崖がある。寺院の入り口に辿り着くには、更に階段を昇り降りする必要がある。しばらくとった休憩で落ち着いてきたと思ったが、階段に歩を進めると再び息切れ。ちょっともうそろそろ死にそうです。

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やっと辿り着いた入り口で、荷物を預ける。しん、と静まり返った中へと歩を進める。見学スペースはさほど広くなく、10分程度で見て回った。仏像の見学と、五体投地。位が高いと思しきお坊さんに聖水をいただく。生水で旅行者はお腹を壊すので口に含むフリでよい、という余計な豆知識をガイドブックで読んでいた。もう最後のイベントだし、またとない機会だからいいや。と一瞬考えたのちに、一昨日の腹痛を思い出し、唇を濡らす程度にしておきました。残りは頭から身体に振り掛ける。



出口で、ウゲンを含めたガイド数人が、お米で作った円盤を崖に向かって投げる。捧げるという意味もあるそうな。思い思いの形に作った米円盤は空をよく飛ぶ。遥か崖下の森のなかへと飛んで消えていった。



神妙な気持ちで寺院を出たが、また同じ道を帰るんだった!ここの崖の階段の昇り降りが一番きつかったです。唯一の(気持ち的な)ドーピングである水も飲み干してしまう。訪れるピンチ。休み休みで歩を進めて、崖の階段をやっとの思いで越えていった。



その後は、ずっと下り。この後は大分楽になりました。ガイド犬は、残念ながら帰ってしまったようだ。途中、タクツァンの遠景は人の顔の形をしているのだよ、えー見えないよ、などと話をしているうちに、麓まで辿り着いた。ドライバーのタシが、車を停めて出迎えてくれる。

こう見えるらしい。
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つづく
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# by yoshi_nora | 2010-08-14 04:01 | 2009ブータン

3/27(金) その1 虎の巣

朝。今日はいよいよ、タクツァン僧院。タクツァン=「虎の巣」という意味で、ブータン屈指の聖地とされている。なぜ虎なのかというと、今回の旅行でも端々で名前の出ているブータン仏教の父パドマ・サンバヴァが、虎の背に乗って舞い降りたという言い伝えがある。それゆえの聖地でもあるが、この寺院が特別であることは、その外観ひとつで誰の目にも明らかでもある。



朝食を済ませて、いざ出発。タクツァン僧院のある山の麓へと向かう。晴れていれば、途中の道すがらに寺院を遠目ながら見ることができるとのことだったが、山の中腹辺りから濃厚な霧が垂れ込めており、その様子を見てとることはできなかった。



山の麓。ここから歩く。そう、歩きます。片道2~3時間ほどの山歩き。タクツァン僧院への道は険しく、車では途中までしか入ることができない。荷物と水を携えていざ出発。しばらくはのんびりとした山歩きが続く。当然景色もよく心洗われる気持ちで登っていくと、やがて木々の途切れた一角に辿り着き、後ろを振り返ると眼下に森が広がっていく様子を見てとることができた。

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絶景ヨネと心奪われているうちはよいのだが、段々と勾配がきつくなるのにつれて息が乱れてくる。そう、まだ麓から間もないはずだが元々の標高が既に高いので、空気は薄い。一寸立ち止まって水を一口含むとすぐに回復するのだけれど、とにかく息が切れるのだ。体感するほどの薄さではないので平地と同じく歩いてしまいがちだが、ペースは遅めが吉。静々と歩みを進めていく。



「ちょっと待って」とガイドのウゲンは立ち止まり、遥か向こうの山の中腹を指差す。あれが見えるかい?と。曰く、靄のかかる中にぽつん、と見える白い粒が、これから我々が向かう目的地だと言う。いやーー…無理っす。は、果たして辿り着けるのかしら。

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↓※写真を拡大するとこうなる
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更にしばらく登ると、なだらかな一角に出た。道端でお土産も売っているここは、途中休憩用の場所とのことだ。ふいーと腰を落ち着けて水で喉をぬらす。腰掛ける岩の向こうに、先程より申し訳程度に大きく見えるようになった僧院を眺める。他にも数名、それぞれ個人で訪れている日本人観光客がいるようだ。概ね同じ行程で進むため、自然と皆同じペースで歩くようになる。

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さて行きますか、と立ち上がる。平らなこの一角を抜けると、すぐに急な坂道にぶつかった。ん、ちょっときつい、、、かも、と心に思いつつ、右へ左へとうねる道を曲がっていくと。

あ、居た。

そこには、件の酔っぱらい氏が座り込んでいた。こんにちは、と挨拶すると、どうやらこの近辺にある別の休憩所まで馬に揺られて登ってきたそうだ。現地にそのようなサービスがあるのだが、道が急のため中腹までとなる。氏は馬の終点からスタートして、すわ行くぞ、と張り切って歩を進めたところ、5分でダウンしてしまったという。

「きつい…!歩いてみたら、もう5分も持たないんだもの!」
「昨日飲み過ぎた…」
(それはそうだろう)

先程の休憩所から同じタイミングで出発し始めたかたがたと氏を交え、僧院への往路は随分と賑やかなものとなった。ただ気になるのは、1リットルのペットボトルで持参した水が、着々と減っていっていることだ。もっと持ってくるべきだったかしら、といったことを頭に巡らしつつ、歩を進めていくのであった。

つづく
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# by yoshi_nora | 2010-08-14 03:54 | 2009ブータン

8/1-12 トゥバ共和国に行ってきます

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ついに、というかトゥバに行ってきます。
現地の民謡、ホーメイに触れてくる予定です!

※トゥバは、モンゴルの北西辺りの国です。(画像参照)

コンサートやら、ホーメイ習ったりといろいろあるそうな。
いろいろ見てきます◎
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# by yoshi_nora | 2010-08-01 09:26 | ホーメイ


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近況

★3月下旬のタルバガンによるワークショップは中止にしました。日を改めて開催しますので、ご興味ございましたらお問い合わせください。

★のびやかなおんがくを奏でます。fokcea crispaはこちらから
♪♪♪♪♪

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